JUGEMテーマ:読書

 

 

書評を拝読して、震えました。

自分よりずっと年下の同業者の著作を、こんなふうに評されるなんて・・・。

 

建築家・隈研吾さんが、

光嶋裕介さん著『これからの建築 スケッチしながら考えた』を、信濃毎日新聞で絶賛くださいました。

 

「本当に、素直でフラットでスムーズな建築論である」

という書き出しにつづけて、「(略)旅と日常という境がまるでなく、歴史に残る名建築と旅先であった渋いジャズ喫茶の境もなくて、すべてがフラットでスムーズに進行していくのである。こういう建築の記述方法は、今までなかった。

普通のようでいて、実に新しい種類の建築本なのである」

 

「普通のようでいて、実に新しい種類の建築本」。

その理由を隈さんは、こう分析されます。

「それは建築が特別なものであった時代が終わったということである」。

 

書評内において、今をときめく建築家である隈研吾氏が、「建築の一時代の終焉」を告げたのです。

これは、歴史的な事件といっていいのではないでしょうか。

 

「建築という特別なものを、建築家という選ばれた特別な人が作るということを、われわれは当たり前のことだと思って育ってきた。」

「しかし光嶋さんという建築家は、すでに違う時代、違う場所にたっている。」

 

同時代の後輩建築家のことを、「違う時代、違う場所にたっている」と断定。

これは、簡単なようでいて、とても勇気のある発言です。

若手の考えを斥けることで、自分の立場を優位に立たせようとする。そういうやり方で後輩を厳しく迎えることだって、可能であるはずです。

しかし、隈さんは、光嶋さんの姿、考えに、新しい時代を見出された。

それは、隈さんが大家であることに安住するのではなく、現役の一建築家として時代に真正面から向き合っておられる、そのなによりの証左といえると思います。

 

「そこでは建築は特別なもの、突出するものではあってはならず、(略)周囲の環境の全体性へと響き合って育つ、植物のようなものへと変わりつつある。」

 

本書評が建築新時代の幕開けの宣言となり、本書が建築新時代の旗印的一冊とならんことを願ってやみません。

 

隈研吾さん、すばらしい書評を本当にありがとうございました。

 

 

 

 

kumakoshima

 

 

 

 

 

 

 

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ミシマ社の雑誌「ちゃぶ台」「ちゃぶ台Vol.2 革命前々夜号」が、「中国新聞」(2017/1/3)の社説に載りました。

 

chabudaichugoku

 

年始の社説で、取り上げていただけたのは望外の光栄です。

「出版」を「農業」にたとえて、耕すところからおこなっている。

この雑誌もまたそうです。

というようなことを取材ではお答えしたのですが、

おそらく、農業、出版にかぎらず、耕すところから始めることが、

あらゆる産業において必要なのではないか、と直感しています。

 

「ちゃぶ台」の二冊が、そんな直感を共有できる方々にとって、

少しでも参考になれば幸いです。

 

Vol.2の目次を、下記に掲載しておきます。

 

*「ちゃぶ台Vol.2 革命前々夜号」目次

はじめに
特集0 「食×会社」を考える
周防大島の農家さんを訪ねて
山本ふみこ /おみおつけの<み>を何にするか
特集1 会社の終わり、companyの始まり
平川克美  /株式会社の終焉
近藤淳也  /会社の人たちと「食べる」ことについて

中山咲子  /まかないのさっこちゃん
山口ミルコ /ダーチャでニチェボー
藤原辰史  /縁食論――孤食と共食のあいだ
植本一子  /言葉をもらう
榎本俊二  /ギャグマンガ家山陰移住ストーリー
ブックレビュー 内澤旬子『漂うままに島に着き』
佐藤ジュンコ/甘辛ジュンコの人生案内
矢萩多聞  /おなじ釜のビリヤーニー
特集2 百姓のすすめ
宮田正樹  /命をつなぐ仕事を
小野邦彦  /ブレのある野菜を流通・販売する

後藤正文  /どんな音楽を選んで聴くのかも、どこかで社会に関わってる
井川直子  /過去のすべてに恩返しする
鷲田清一  /集団として生き延びていくために
中村明珍  /里山のDIY野郎
内田健太郎 /マルシェを「つづける」ということ

加地猛   /コンビニをやりたい
益田ミリ  /なんとなく、未来の夏休み
少し長めの編集後記

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三砂ちづる先生の『女たちが、なにか、おかしい〜おせっかい宣言』が、

東京新聞に書評掲載されました(2017年1月15日付、評者・橋本克彦氏)。

 

どこから読んでも挑発気ぎみで面白いエッセイだ

の一文から始まる書評。

 

〜著者が支持する渡辺京二の「生の原基」の上に立ち上がった社会現象への視線は優しく厳しい。

とりわけ女性の自己実現を巡る強迫神経症的思い込みについての考察に賛成し、おかしいのは日本社会だと、つけ加えておく

 

最後は、こんなふうに締めくくられていますが、

では、どうしていけばいいのか?

 

著者の視点はあくまでも慈愛にあふれた「おせっかい」で、

どこまでいっても女性の味方です。

女性たちの目を開き、新たな人生の可能性を開く。

そんな提案に満ちた一冊になっています。

女性はもちろん、ぜひ男性にも読んでいただきたいです。

そして、男女問わず、ひとりの人間として生命力が上がるきっかけになれば、と願ってやみません。

 

misago

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本日付の京都新聞「新春座談会」に登場しました。

 

本上まなみさん、森見登美彦さん、上田誠さん、という京都に縁の深いみなさんとのおしゃべりは、

同世代ということもあり、とても和やかで、愉快で、ずっと話していたくなるような時間でした。

 

kyotoshinshun

 

ちなみにこの座談会で、上田誠さんが、(東京で公演するときは)「インド人」の感じで勝負に行く、という発言をされました(一同、まさかの喩えに大爆笑でした)。

それを受けて、いっそ「インド人」対談を聞いてみたい!と思いついたのですが、

なんとそれが実現の運びに。

たもんのインドだもん』でお馴染みの矢萩多聞さんと、

上田さんとで「京都で表現活動をすること」についてお話いただけることになりました。

 

 

⭐︎1月20日(金)京都丸善にて

上田誠さん&矢萩多聞さん トークイベント 「ぼくたちインド人だもん」

 

今から楽しみでなりません!!

 

 

 


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元日、凧揚げをしたと申しましたが、

翌日、同じ鴨川を自転車で走っているとき。

上空をふと見上げると・・・

 

tako2

 

木に凧が引っかかったまま残されていました。

 

「あっ」

 

凧揚げを楽しんでいた親子の「時」までも、そこに残されているかのようでした。

おそらく、ひっかかった瞬間、

楽しい時が、不安な時へと急反転したことでしょう。

その瞬間の心までもがそのまま保存されているような感じさえしました。

もっとも凧本人は、知らぬ存ぜぬ、ぷらぷら揺れるのみ、でしたが。