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松っちゃんの結婚式
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    『<構築>人類学入門』を連載してもらっている松村君(通称松っちゃん)の結婚式のため京都に行ってきた。
    松っちゃんは大学のヨットクラブの仲間であり、かれこれ15年来の友人となる。僭越ながら、スピーチもさせていただいた。
    が、いつものように、本番任せ。というか、ほんとうはこの一週間ほど毎日、大学時代を思い返しては何を話そうかと悩んでいた。が、残念ながら時間切れ。そのまま本番を迎えたのであった。

    しかし、それが功を奏した、というか案ずるより生むがやすし、なのだろう。

    披露宴の前半で映写された、新郎による自作ムービーがすべてを教えてくれたのだった。

    新婦のアイさんが松っちゃんの地元・熊本へご挨拶に行くシーン。
    お母様との対面を終え、お祖母さまのもとへ。アイさんの姿を見るなり、お祖母さんは満面の笑みを浮かべ、
    「(この子と結婚すれば)最高ですよ」と言った。

    そう、そうなのだ! 松っちゃんは、最高なのだ。この一言に尽くされるのである(だからこそ、ぼくは何を話したらいいかわからなかったのだ・・言い訳じゃなくて)。
    たった一言で本質を表現されたお祖母さま。
    その曇りなきお眼鏡にただだた頭が下がる思いがした。

    というわけで、スピーチでは、お祖母さまに教えてくださったとおりです、ということをお話させていただいた。

    「松っちゃんとかかわった人ならみんなこうした経験をしたことと思います」


    −−人生の岐路やら大きな局面に、さりげなくぼくたちの前に現れ、なにげない言葉を残していく。こちらの愚痴に近いような言葉にも『うん、うん』といちいちうなづきとともに聞いてくれ、最後にぽつりとひとこと。『そうしたらいいよ』と軽く背中を押してくれる。
    その一言はあまりに自然に発せられるため、聞いているほうには、『そうだよな、それしかないものな』と、初めからその解しか存在しなかったかのような錯覚を抱かせる。
    そして数日後には彼の押してくれた道を実際に歩みはじめ、数カ月後には当然のような顔をしてその道をぼくたちは歩いている。もはや、かつて、この道でいいのかと散々悩んでいた自分がいなかったかのように−−

    そういうふうに、かけがえのないプレゼントを贈ることのできる稀有な人なのだ。
    だけど、彼のこうした「最高具合」はうっかりしていると、まったく気づかれないことだってある。
    「最高」は、最高な位置にいるときはなかなか気づかないものなのだ。
    それが、「最高だった」と認識できるのは、おうおうにしてそれが過ぎ去ったとき、あるいは何かを失ったときであったりする。
    だから、彼の「すごさ」を認識するには、新たな問いをたてる必要がある。

    それはこういうものだ。

    松っちゃんともし会ってなかったら、どうなっていただろう?

    全ての出会いが今を築いている。もちろん、これまで会ったすべての人に言えることではある。が、すくなくともぼくのばあい、松っちゃんと会ってなかった場合を想像するのは不可能に近い。たとえば、そのばあい、こういうケースを想像しなければいけなくなるのだから。

    4年前。「ミシマ社、それいい! ミッシーがやるのやから社名はそれしかないやろ」。彼がそう言ってくれなかったら。

    10年前。実家が引越しをし、京都に泊まる場所のなくなった僕を6畳の下宿部屋に泊めてくれてなかったら。

    14年前。あの晩、たまたま訪れたマネージャーの部屋で語り合っていなかったら。

    ・・・想像することがどうしてもできない。今、という時点にたったとき、そうした「もし」はありえないことだし、あってはいけないことばかりに思えてくる。
    裏を返せば、彼との時間は、その後の自分に、「それ以外になかったであろう」という選択肢を自然に与えてくれたということだ。
    これを「最高」と表現せずにどう言えばいいだろうか。

    「最高」な人というのは、「最高」を、自分でも気づかぬうちに、相手も気づかないうちに、そっと与えてくれる人をいう。

    この日、「最高」という言葉の真の意味を、お祖母さんに教わった気がした。

    というようなことまでは話してないが、本心からこう申し上げたのだった。

    「松っちゃん、アイさん、末永くどうぞお幸せに。これからも、ぼくらに、『最高』をおすそ分けしてくださいね!」

    ご結婚おめでとうございました。
    これから違う形で一緒にかかわっていけることを本当に楽しみにしています! イエィ!
    | FUN | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
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