2009.08.02 Sunday
集まれ!神陵ヨットクラブ
風吹かば 風吹くまま
波立たば 波立つままに
そぞろヨットのはかなさを知る
叡山三千尺
琵琶湖のほとり
転地の恵み豊かなる
これぞわが神陵の地なり
いざ歌わんかな 琵琶湖周航の歌
ein twei trei
♪ われは海の子 さすらいの〜
こうして「琵琶湖周航の歌」を歌い始める。
もう、100年くらいずっとそうしているのだ。
昨日は、神陵ヨットクラブ創設50周年のOB会に出席するため
日帰りで滋賀へ。
ちなみに、「琵琶湖周航の歌」は、三校ボート部にいた小口太郎さんが
つくった名歌である。その後、三校ボート部が三校ヨットジュニア組織になり、昭和34年に僕たちが所属した神陵ヨットクラブへと名称を変えた。その間、ずっと「琵琶湖周航の歌」は引き継がれた。「琵琶湖周航」という行事とともに。
僕はそのクラブで大学の数年間をすごした。
毎夏(ちょうどこの時期)、一週間かけて琵琶湖をヨットで回った。
基本は野宿。火をおこし、自炊しながら真夏の一週間をすごした。
木造艇庫は文化財級。先生方、OBのがんばりで立て壊しを免れた。
昨日は、昭和33年大学入学の大先輩から、最年少は私たちの代まで、21名が集まった(残念ながら僕たちより下の代は不参加。若い人は忙しいのだ)。
平成7年入学の僕らと数年上までの先輩から上は、平成元年入学のKさんを除き、昭和50年前後入学が3名、あとは昭和40年代、30年代の方々ばかり。じつに「世代の二極化」した会となった。
自己紹介のときも、若い人たち(僕ら)は、「今と未来」を語り、
先輩方は、「過去と今」を語られた(なにせ大半は定年されていらっしゃる)。
こんなに年齢を超えた間柄であっても、ヨットという共通の話題がある。
そして、先輩方が語る「神陵ヨットクラブ」は、僕たちが体験した湖上の時間とつながるキラキラしたものだった。
最後には、一同、肩を組み、「琵琶湖周航の歌」を歌った。
こんな大先輩方と肩を組み、合唱するのは、もちろん初めてのこと。
僕たちが、学生時代にああいう貴重な時間を送れたのも、こうした先輩方が一度も琵琶湖周航の行事を絶やさず行い、事あるごとに「周航の歌」を歌ってこられたからだ。
この不思議な空間に身をおく幸せにしばし浸った。
歌は最後、こういう言葉で締めくくられる。
「語れわが友 熱き心
語れわが友 あつーきこーこーろ」
何十回、何百回と歌った周航の歌だが、大先輩方と「語る」今回は格別なものがあった。じんと来た。
だけど。
この伝統ある神陵ヨットクラブは、現在危機に立っている。
現役の学生が3名しかいないという。そのため、「周航」の行事さえ行うことができなくなっている。
三校ボート部時代から続く、100年ほどの行事がここで途絶えようとしているのだ。
なんとも悲しい。。
その遠因はというと、僕たちの代(というか僕)にあった、そのことに遅まきながら昨日気づいた。
というのも、「少数時代」と「適数時代」の両方を知っている最後の世代が僕らなのだ。
僕らの一つ前の代はわずか3人。当時、「これから」が不安視されていた。幸い、僕らの代にとりあえずは7、8人入ったため、廃部の危機は免れた。当然、そのころの先輩方がいかに新人勧誘に大変苦労されていたか、その姿を知っている。それだけに、自分たちが現役のときは、「過剰な熱量」で新人募集に精を出し、毎年それなりの人数が入ってくれた。
だが。
実はその時点で、僕は致命的なミスをおかしていた。「新人を募集すること」の大変さ、それを怠ることで生じる危機の度合いについて、伝承することを怠っていたのだ。目の前の入部しか目に見えていなかった。
伝統を継承するというのは、その世界で行われる技術やら行事の楽しさやらとともに、過去に体感したはずの「苦しさ」もセットでなければいけない。
それが表裏一体となって伝わらなければ、真に継承されたとはいえないのだ。
その結果、僕らが卒業したあとの世代は、「過剰な熱量」をもって新人募集に精を出す、ということをしなくなり、人は減少していった(本当かどうかはわからないけど)。
この「過剰な熱量でもってやらなければ人は集まらない」ということは、ヨットで足を引っ張ることが多かった僕が、行事担当として伝えなければいけないミッションだった・・。
そのツケが今になって出てきたのではないか。
そう深く反省した。
というわけで、
神陵ヨットクラブの素晴らしい営みを絶やさぬため、
ぜひとも、このクラブに入部いただきたいと思っております。
関西在住の大学生の皆さんへ(大学は不問です)
ヨットをやりましょう。
週末は琵琶湖に行きましょう。
資格やら就職活動やらバイトやら海外旅行やら遊びやら、そうした日本中の大学生なら「誰もが」やることなんかより、ずっと楽しい時間が待っています。
古き良きものに新しい命を吹き込む。
これは、大変だけど大変にやりがいのある、かけがえのない行為です。
ぜひ、神陵ヨットクラブへ。
湖上で風と一体となりましょう!
そして、熱き心を語り合いましょう!
生涯の友ととにも。
ご関心のある方はこちらまで。関西のメンバーをご紹介します。
件名:ヨットクラブ
hatena@mishimasha.com
波立たば 波立つままに
そぞろヨットのはかなさを知る
叡山三千尺
琵琶湖のほとり
転地の恵み豊かなる
これぞわが神陵の地なり
いざ歌わんかな 琵琶湖周航の歌
ein twei trei
♪ われは海の子 さすらいの〜
こうして「琵琶湖周航の歌」を歌い始める。
もう、100年くらいずっとそうしているのだ。
昨日は、神陵ヨットクラブ創設50周年のOB会に出席するため
日帰りで滋賀へ。
ちなみに、「琵琶湖周航の歌」は、三校ボート部にいた小口太郎さんが
つくった名歌である。その後、三校ボート部が三校ヨットジュニア組織になり、昭和34年に僕たちが所属した神陵ヨットクラブへと名称を変えた。その間、ずっと「琵琶湖周航の歌」は引き継がれた。「琵琶湖周航」という行事とともに。
僕はそのクラブで大学の数年間をすごした。
毎夏(ちょうどこの時期)、一週間かけて琵琶湖をヨットで回った。
基本は野宿。火をおこし、自炊しながら真夏の一週間をすごした。
木造艇庫は文化財級。先生方、OBのがんばりで立て壊しを免れた。
昨日は、昭和33年大学入学の大先輩から、最年少は私たちの代まで、21名が集まった(残念ながら僕たちより下の代は不参加。若い人は忙しいのだ)。
平成7年入学の僕らと数年上までの先輩から上は、平成元年入学のKさんを除き、昭和50年前後入学が3名、あとは昭和40年代、30年代の方々ばかり。じつに「世代の二極化」した会となった。
自己紹介のときも、若い人たち(僕ら)は、「今と未来」を語り、
先輩方は、「過去と今」を語られた(なにせ大半は定年されていらっしゃる)。
こんなに年齢を超えた間柄であっても、ヨットという共通の話題がある。
そして、先輩方が語る「神陵ヨットクラブ」は、僕たちが体験した湖上の時間とつながるキラキラしたものだった。
最後には、一同、肩を組み、「琵琶湖周航の歌」を歌った。
こんな大先輩方と肩を組み、合唱するのは、もちろん初めてのこと。
僕たちが、学生時代にああいう貴重な時間を送れたのも、こうした先輩方が一度も琵琶湖周航の行事を絶やさず行い、事あるごとに「周航の歌」を歌ってこられたからだ。
この不思議な空間に身をおく幸せにしばし浸った。
歌は最後、こういう言葉で締めくくられる。
「語れわが友 熱き心
語れわが友 あつーきこーこーろ」
何十回、何百回と歌った周航の歌だが、大先輩方と「語る」今回は格別なものがあった。じんと来た。
だけど。
この伝統ある神陵ヨットクラブは、現在危機に立っている。
現役の学生が3名しかいないという。そのため、「周航」の行事さえ行うことができなくなっている。
三校ボート部時代から続く、100年ほどの行事がここで途絶えようとしているのだ。
なんとも悲しい。。
その遠因はというと、僕たちの代(というか僕)にあった、そのことに遅まきながら昨日気づいた。
というのも、「少数時代」と「適数時代」の両方を知っている最後の世代が僕らなのだ。
僕らの一つ前の代はわずか3人。当時、「これから」が不安視されていた。幸い、僕らの代にとりあえずは7、8人入ったため、廃部の危機は免れた。当然、そのころの先輩方がいかに新人勧誘に大変苦労されていたか、その姿を知っている。それだけに、自分たちが現役のときは、「過剰な熱量」で新人募集に精を出し、毎年それなりの人数が入ってくれた。
だが。
実はその時点で、僕は致命的なミスをおかしていた。「新人を募集すること」の大変さ、それを怠ることで生じる危機の度合いについて、伝承することを怠っていたのだ。目の前の入部しか目に見えていなかった。
伝統を継承するというのは、その世界で行われる技術やら行事の楽しさやらとともに、過去に体感したはずの「苦しさ」もセットでなければいけない。
それが表裏一体となって伝わらなければ、真に継承されたとはいえないのだ。
その結果、僕らが卒業したあとの世代は、「過剰な熱量」をもって新人募集に精を出す、ということをしなくなり、人は減少していった(本当かどうかはわからないけど)。
この「過剰な熱量でもってやらなければ人は集まらない」ということは、ヨットで足を引っ張ることが多かった僕が、行事担当として伝えなければいけないミッションだった・・。
そのツケが今になって出てきたのではないか。
そう深く反省した。
というわけで、
神陵ヨットクラブの素晴らしい営みを絶やさぬため、
ぜひとも、このクラブに入部いただきたいと思っております。
関西在住の大学生の皆さんへ(大学は不問です)
ヨットをやりましょう。
週末は琵琶湖に行きましょう。
資格やら就職活動やらバイトやら海外旅行やら遊びやら、そうした日本中の大学生なら「誰もが」やることなんかより、ずっと楽しい時間が待っています。
古き良きものに新しい命を吹き込む。
これは、大変だけど大変にやりがいのある、かけがえのない行為です。
ぜひ、神陵ヨットクラブへ。
湖上で風と一体となりましょう!
そして、熱き心を語り合いましょう!
生涯の友ととにも。
ご関心のある方はこちらまで。関西のメンバーをご紹介します。
件名:ヨットクラブ
hatena@mishimasha.com