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今日の朝日新聞に、「イスラム水着 相次ぐ禁止に物議」という見出しの記事がありました。

 

「イスラム教徒の女性用の水着「ブルキニ」を禁止する動きが、フランスで相次いでいる。

(略)宗教を誇示するような着衣で、混乱を招きかねない」という自治体の判断だが、人権侵害にあたるとの批判も強い」

 

という内容です。

 

つい先日も、日本の「入国管理局が収容中のイスラム教徒の男性に豚肉を提供した」というニュースが流れました。

 

フランス、日本にかぎらず、こうした誤解や偏見が、現在、散在しているように思います。

いずれ「世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代」、

イスラム教徒にとっての常識を知っておくことは、

私たち市井の人間にとっても、不必要な摩擦や誤解を生まないために必須ではないでしょうか。

 

寄藤文平さんが描いてくださったかわいい絵のおかげもあって、

女性からの支持も厚い、内藤正典先生の『となりのイスラム』。

 

musulim

 

本当に、本当に、読んでいただきたいです。

 

*内藤先生の北海道新聞のインタビューは、こちらです。

 

 

 

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もし、まだ読んでいない方がいらっしゃったら、ぜひとも読んでいただきたいです。

後藤正文さんの『何度でもオールライトと歌え』。

 

内容は、絶妙な阿呆エッセイから、憲法9条まで。

たとえば永江朗さんは、「週刊朝日」(2016/6/14)の「ベストセラー解読」のコーナーでこう書いてくださっています。

 

・・身辺雑記もあるけれども、ぼくがグッときたのは、原発問題や改憲・安保問題についても率直に意見を述べているところだ。官邸デモに参加していることについても書いている

 

そして、本書よりこの箇所を引用。

 

ミュージシャンは音楽だけをやっている、という言葉をよく見かけるのだけれども、政治的なものとそうでないものがパキッとふたつに分かれていると考えるのは間違いだと思う

(『何度でもオールライトと歌え』 p131「どんな音楽を選んで聴くのかも、どこかで社会に関わっている」より)

 

とはいえネット時代、政治的発言をすることへのバッシングもすさまじいようだ。(略)

それでも後藤は、憎悪の言葉に憎悪で返すのではなく、対話を求め続ける。関係を断ち切れば楽なのに、あえて引き受けようとしているのだ。それもまたミュージシャンの仕事であるかのように

 

せめて私たちは、その後藤さんの言葉を「読む」「聴く」ことを通して、後藤さんを支えねば。

同じ時代に生きるものとして、しっかりと彼の言葉を受け止めていきたい。

強く強く、そう思います。

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後藤正文さんの『何度でもオールライトと歌え』が、昨日、発売となりました。

この本を編集している間ずっと、幸せでした。

その理由は数え切れないくらいありますが、
ひとつは、編集をしている過程で、「この本は時代を牽引していく一冊に必ずやなる」。そう、強く実感できたことがあります。
こんな本は、めったに、本当にめったに、出会えるものではありません。

そういうと他のミシマ社本は違うの? と言う方もいるかもしれないので、念のため。
ミシマ社を設立以来、「一冊入魂」を掲げているとおり、文字通り、入魂作業を一冊ごとに実践しています。
それは、一冊の本に「生命」を宿すという行為だと、僕自身は捉えています。
つまり、生き物としての本をつくるということです。
ただし、生き物である以上、一つとして同じであるわけがありません。
同様に、一冊として、同じ本はない。
ですから、ミシマ社の本すべてが時代を牽引する必要はまったくなく、それぞれの「面白い」輝きを放ってさえすれば十分なのです。

今回の後藤さんの本は、同時代を生きる私たちが決して無視することができない言葉で綴られています。
たとえば、「変わらなければいけないのは、いつだって俺のほうだ」という言葉。
この言葉は、編集をしているこの数ヶ月、いったい何度、僕を救ったかわかりません。
また、「俺から言わせれば、日々の生活のなかで何を買うのかということも十分に政治的だ」という発言には、全身でコクリとうなづかずにはいられない。
それほどに、後藤さんの言葉は強い。
東日本大震災以降、「これから」を考えて考えて考え抜き、実践してきたからこその強さに、裏打ちされています。
等身大の思想を語る書き手が、同世代のなから誕生した!
その喜びを全身で感じずにはいられませんでした。

それにくわえて、軽妙なエッセイも抜群で、「お見事!」と膝を打ったり、思わず笑ったり、とにかく面白い。
この面白さと、オピニオンとしての強さを共存させる。
それが、今回の編集のポイントだったわけです。
もちろん簡単なミッションではありませんが、後藤さんの文章に耳を澄ますことで、見えてきたように思います。
その声に同化していけば、自然とこちらの編集技術を高めてくれた。そんな気がしています。

昨年だけにかぎっても、益田ミリさんの『そう書いてあった』やシリーズ「コーヒーと一冊」、ミシマ社初の雑誌『ちゃぶ台』などを経て、自身の編集技術が上がっていっている実感がありました。
そういう流れのなか、今回、さらに技術が高まり、そのすべてを出し切れた。
今の時点では、これ以上の本はつくれない。その域までいったような感覚がありました。

なにより、こういう仕事ができたのは、ご一緒させていただいた方々が、あまりに気持ちのいい、素敵な方々ばかりだったことにつきます。後藤さんは言うまでもなく、青山ゆみこさん、名久井直子さん、濱田英明さんといった方々とのやりとりは、無上の楽しさでした。

とにかく、この本と関わっていること自体が、とても幸せでした。

地震、政治状況・・・さまざまな困難がつづきますが、それだけに、この本を一人でも多くの方々に読んでいただきたいです。
何度でもオールライト、と歌いながら生きていくしかない。それが今を生きるということ・・。
ただし、たった一人でオールライトと歌うことはない。
すぐ近くで、「何度でもオールライトと歌え」と言ってくれる人がいることを、感じていただきたいです。
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ミシマ社は、絶版をつくらないという方針で、出版活動をつづけています。
(その思いについては各所で書いたり、述べたりしていますので、今回は割愛します)

そうであるからには、新刊(つまり発刊まもない本)ばかりを売り伸ばしていてはいけません。
どの本も大切に、育てていきたいと思っています。

そういう思いから年初に、「昨年出た本を、まるで新刊のように売れる本にしよう」プロジェクトを掲げました。
その第一弾が、井川直子さんの『シェフを「つづける」ということ』です。

昨年2月に発刊された本書、おかげさまで3刷となりました。
発売当初は、井川さんのお名前を知らない書店員さんも多く、
けっして好調な滑り出しとは言えませんでしたが、
実際に読んだ人たちの声に支えられて、ここまできました。

ブックディレクターの幅さんは、
「2015年のベスト・ノンフィクション」と評してくださりました。

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そう思うと、いま3刷ですが、この本の素晴らしさからすれば、
もっともっと多くの方々のもとに届いていてほしい。そうあらねば、と思っています。

料理に携わる方々はもちろん、
何かを本気でやろうとしている方、
し「つづけ」ていらっしゃる方、
ぜひぜひ、読んでいただきたいです。
ここにあるのは、「わが事」の話ばかりです。
ぜひ!

 
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昨日、日帰りで東京に行ってきました。
午前に京都を経ち、お昼ごろ東京に着きました。
打ち合わせ前にちらりと見たツイートで、「安保法案 強行採決」を知りました。
それだけは起こらないでくれ、という願いもむなしく・・・。


夜、自由が丘メンバーと打ち合わせたのち、21時台発ののぞみで京都へ。
その車中、引き寄せられるように、
内田樹先生の『街場の戦争論』を読み返しました。
いったい何度読んだかわからないですが、
冒頭から襟首を掴まれたような感覚で、引き込まれないではいられませんでした。

僕たちが今いるのは、二つの戦争つまり「負けた先の戦争」と「これから起こる次の戦争」にはさまれた戦争間期ではないか。これが僕の偽らざる実感です。
(略)敗戦を日本人は戦後七十年間かけてどう総括したのか、それについての自分なりの回答をださなければならないということをひしひしと感じ始めたのだと僕は思います。
(略)そんなこと、僕は生まれてから今日まで一度も感じたことがありませんでした。でも、今は感じている。気がつくと毎日戦争のことばかり考えている。
(略)
戦争についてもっと知っておきたいと急に思うようになったのは、それを忘れないためではなく、「次の戦争」が接近していることを肌に感じるからでしょう。
」(まえがき より)

これを書かれたのは、昨年の夏のことです。そして本書が発刊されたのは、昨年10月。
あれから一年が経とうしていますが、先生のその感覚が国民全員の「実感」になったと言えるでしょうか。



日本はなぜ、「戦争のできる国」になろうとしているのか?

それを知るためには、この問いから始めるしかないと、本書は言います。

「日本人は戦争に負けることによって何を失ったのか」(p20)

「失ったことを自覚できなければ、それから後も今も失い続けているものが何かを語ることもできない」(p30)のですから。

回り道のように見えて、この問いに向き合うことが最短ではないかと思えます。そしてそこから見えてきた「現在の愚行」に対して、本当にすべきことを実行していくこと。

そのためにも、とにかく、本書を一人でも多くの人たちに読んでほしいです。
日本をこれ以上悪いほうに向かわせないため、内田先生が並々ならぬ思いで書いてくださった一冊です。
私たち出版社側も渾身の思いで発刊しました。



いま、国民ひとりひとりに、真の知力と胆力が求められています。

これまでの人生で学んだことを総動員して日々を送らねば。
そして、日々、学ばねば。
そう、強く、強く思う昨日の帰り道でした。
 
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2015年5月23日、ミシマ社から新シリーズが始まります。
その名も、「コーヒーと一冊」。
コーヒーを飲みながら読んでもらうのにぴったりな本づくりをめざしました。
100ページ前後のページ数で、
片手にコーヒーカップをもっていても、重たいと感じない絶妙な軽さに仕上がっています。

創刊の3冊は、いずれも「みんなのミシマガジン」の人気連載3本の書籍化です。

『佐藤ジュンコのひとり飯な日々』
北野新太『透明の棋士』
松樟太郎『声に出してよみづらいロシア人』

COFFEE

どの本も、本当におもしろい!
「ちいさな総合出版社」を謳うミシマ社ならではの、
自信のラインナップです。
「おもしろい」は、こんなに多様で豊かなんだと、私自身あらためて実感しています。

今後は、半年に3冊ずつ刊行していく予定です。
シリーズとなれば、出版社としても、一刻も早く点数を増やすことを目的としやすいですが、
あくまでも、じっくりペースでまいります。
何度もなんども読んで味わっていただきたい。
という思いとともに、この一冊をきっかけに読了する喜びを体感いただき、
通常の厚さの本をいっぱい楽しんでいただきたい、というふたつの思いから。

いずれも、価格は1000円(税別)。
デザインは、文平銀座の寄藤文平さんと鈴木千佳子さん。
買って読んでよかった!!! と必ずや思っていただける中身と仕上がりです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


* 19日に、シリーズのお取引のことについて書く予定です。
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4月23日、待望のエッセイ集が発刊となりました。

益田ミリさん著『
そう書いてあった』、です。
この10年くらいでしょうか、エッセイ集といっても、ワンテーマ・ノンフィクションのような本が多くなったように思います。
「◯◯男子」とか「〜系」といったキーワードを打ち出した本たちです。
けれど、徒然なるままに、日々の断片をつづった随筆は、それはそれで味わい深い世界です。
本書は、そういう王道エッセイの魅力にあふれた一冊です。
ぜひ、一編一編を味わって読んでいただけましたら嬉しいです。

また、編集者としても、現段階での「最高」の編集ができたような実感があります。
帯コピー、エッセイタイトル、全体の構成など、
いろんなことが、自分の意識レベルでの行為を超えて、動き出していったような。
まさに、帯コピーのとおり、
「わたしの中の”あの子”が騒」ぎだしたような感覚です。

ミリさんのエッセイ、そして編集上の工夫を、見事に「形」にしてくださったのは、
装丁を手がけてくださった、クラフトエヴィング商會さんです。


長く読み継がれる一冊になることを願ってやみません。


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本年3月末、2007年6月以来となる「二冊同時刊行」をおこないました。

一冊は、『THE BOOKS green〜365人の本屋さんが中高生に心から推す「この一冊」』。
2012年に刊行し、好評博した『THE BOOKS〜365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」』の続編。
今回は、中高生にこの一冊を! というブックガイドです。
前書と、一軒も、お一人も、重ならない書店さん、書店員さんに登場いただきました。
二冊抱えて、全国の本屋さん巡りをするのもオススメです。

もう一冊は、甲野善紀先生の『今までにない職業をつくる』。
武術研究家として35年。
今もなお技への気づきが止まらない甲野先生の発想法、そして思想が詰まっています。
「自分自身の正直な実感を通して自分の道を拓く」。
この難しい行為を現実のものとしていくため、本書は間違いなく力になります。

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この春、この初夏、二冊の本から新たな世界が広がっていくことを願ってやみません。
また、「これから」という方々へのプレゼントにも、ぜひ!
 
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このたび二冊目となる本を上梓しました。
失われた感覚を求めて〜 地方で出版社をするということ』(朝日新聞出版刊)


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この一年半ずっと書きつづけてきた本です。

出版社をつくった一人の人間として、
この時代に、どうしても書いておかなければいけない。
その一心で書ききりました。

たいていの場合、本はある知見を整理した形で出すものだと思います。
実際、自分が編集者として編集してきた本の大半がそうです。
けれど、今回自分が執筆した本は、かなり未整理。
お鍋でいえば、生煮え。
サッカーでいえば、後半のホイッスルの鳴ったところ。
となるでしょうか。
いずれにせよ、何かひとつの結論があって、その因果関係を論理的に述べる、といった類には属しません。
まだ何もわからない。
けれど、目の前に霧がかかっていることは事実で、その霧をなんとかして払おう。そして次なる景色を見るのだ。
そういう思いで日々走り、走った距離をそのまま書き取ったような一冊です。
はたして、それが成功しているかどうかはわかりません。

ただ、現在、自分たちが直面していること、直面しつつあることに向き合っていくためには、
こうした「生煮え」で出すしかなかったと思います。
そうでないと、手遅れになってしまいかねませんから。

ご縁がありましたら、お読みいただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
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昨年末に発刊いたしました『あわいの力』、おかげさまで高評いただいております。
「シリーズ22世紀を生きる」第二弾として発刊いたしましたが、すでに2刷。
ビッグな方々がツイッター上で紹介くださるなど、熱い支持をいただいております。

著者の安田登先生にお会いしたのは、2012年の夏でした。
あのとき、自分のなかで大きな地殻変動が起きました。
「この方は、すごい」
何としても教えを乞わねばならないと、強い衝撃とともに思ったのでした。

いま、安田先生の「すごさ」を多くの方々と共有することができるようになり、本当にうれしいです。

「週刊朝日」(14/2/10)の記事では写真付きで紹介いただきました(上)。
一部引用させていただきます。

「この本を書いたきっかけは、ひきこもりやニートの子と一緒に奥の細道を歩くというイベント。みんな異常にいい子なんです。こういう子がこんなに多いのは何か理由があるんじゃないかと」(略)
見えないものを見る異界は、こころの副作用を遠ざける力がある、と本書にもある。
「大切なのが自分の中にあるもう一つの異界。子供の頃の自分や人生であきらめたことなど、社会で生きるために切り捨てた存在です。それをときどき表に出して、語らせたり暴れさせたりしないと爆発してしまう。だから異界と現実をつなぐあわいの力が必要なんです」


このあと、見事な書評がつづきますので、ぜひ、「週刊朝日」をご覧いただきたいです。

2月14日には、「朝日新聞」1面に広告を出します!(大阪版は2月16日)

ちなみにミシマ社も、今年はもっともっと「あわいの力」を高めていきます!!